虫歯と唾液の関係

朝起きたとき、口の中がベタベタしたり、不味かったりした経験はありませんか?
私たちの口の中の細菌は唾液や食事などによる 「飲み込む」という動作によって、1日の間で大きく増えたり減ったりします。

唾液の働きには、他にも抗菌作用、 そして、虫歯になりやすい酸性環境から中和する作用があります。
このため、食事をしたり会話をしたりする唾液の分泌が盛んな日中は 細菌は増えてもすぐに減ってしまいますが 唾液分泌がほとんど起こらず、 数時間眠っている 夜間 には 細菌は減るチャンスもなく、最も多くなります。
ですから、夜 眠る前に歯磨きをしないと・・・・・・・・・・・・・。
もう お分かりでしょう。

 

「歯磨きをしないと虫歯菌が翌朝30倍に」
平成18年3月21日版 朝日新聞 経済面より



夜の歯磨き、丁寧に、しっかり行ってください。
これが、非常に大事なことなのです。

以前、こんなお話を耳にしたことがあります。

北海道で、クマを使って、冬眠前と冬眠後の口内の細菌の量を調べる調査があったそうです。 冬眠から覚めたクマの口の中は、細菌の量を調べるまでもなく物凄い歯槽膿漏だったそうです。 何故、そのまま歯が抜けることもなく生きていけるのか不思議ではないですか? 「冬眠から覚めたクマが、まず数日間、笹の葉を食べて体調を整える」  というのは胃腸を整えることの他に、笹の葉を食べて歯磨きをして、歯槽膿漏をも直してしまう ・・・そんな本能があってのことなのでしょう。

でも、皆さんは ちゃんと歯医者さんへ行ってくださいね。

さて・・・本題に入りましょう。



皆さんは、食後2~3分で歯は溶け出しているということをご存知でしたか?

食事をすると口内が酸性になってミネラルを溶かし出してしまうためです。
毎食、歯は溶け出しているということです。
これを 「脱灰」(だっかい) といいます。
この脱灰を止めてくれるのが 唾液 です。

食後20~40分で、唾液によって溶け出した歯の成分も再び歯に戻されています。
これを 「再石灰化」 といいます。

この2つの作用がバランス良く、毎日繰り返されている状態が健康と言えます。

何らかの理由でこのバランスが崩れ、 「脱灰の作用」が「再石灰化の作用」を上回り、 その状態が続くと 歯の表面が白く濁って見える「虫歯初期」になります。
(表層化脱灰病変:ひょうそうかだっかいびょうへん)



この段階であれば、まだ歯磨きやフッ化物(フッ素)によって 「再石灰化」が可能です。 この状態が続き、進行していくと、歯に穴が開き、虫歯部分を削って治療しなければならなくなります。
(う窩形成性う蝕:うかけいせいせいうしょく)



まとめてお話しますと、虫歯の進行は、4つの要素から成り立っています。

 

  • 虫歯菌
  • 糖質
  • 糖質などが口内に存在する時間の長さ
  • 歯(体)の抵抗力の低下

これらのことからも分かるように、唾液は非常に大事なものです。
唾液の行き届きにくい場所は、特に気をつけて丁寧に歯磨きをしましょう。

 

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