歯周病と怖い心臓病の関係

最近の研究で歯周病がある方は、『感染性心内膜炎』や『虚血性心疾患』の心血管系疾患の発生するリスクが1.5~2.5倍増加することが分かってきました。

更に、アメリカで行われた NHANESⅢ という大規模な研究調査では、重度の歯周病を抱える方は歯周ポケットに大量の歯周病菌が存在していて、心筋梗塞の発生率が4倍近く上昇していることが分かりました。

※参考:歯周病って、こんな病気です。

 

感染性心内膜炎というのは、心臓の内側にある『心内膜』という膜に歯周病菌などが血液に入り、感染・炎症を起こし、膜が破れて心臓の働きが低下するという病気です。歯周病になると、その原因となる細菌が血液中に入り、心臓などに感染を引き起こす場合があります。

虚血性心疾患というのは、心臓に十分な血液が行きわたっていない状態のことを言います。
心筋梗塞や狭心症がそれですが、簡単に言いますと、動脈硬化による冠動脈の閉鎖・狭窄など、心臓の筋肉に血液を送る血管が詰まって起こる怖い病気です。

 

血管に入り込んだ歯周病菌は、白血球などの免疫作用で退治されるのですが、一部の歯周病菌は血小板に入り込んで、全身を駆け巡ります。そして、その血小板が集まり、固まりやすくなる異常を起こし、血管を詰まらせることがあるのです。

どちらの場合も、口腔清掃を丁寧に行い歯周病予防に努めることで、発症の確率が低くなります。日頃からの丁寧な歯磨きや定期健診を心がけましょう。

 

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