脳の秘めたる底力7/大脳と小脳

nou.JPG(左図:クリック後、拡大します)

小脳は「小」と書きますから、大体 女性で120g前後、男性で130g前後。ミカンのLサイズくらいです。

小脳の神経細胞は、1000億あります。
大脳の神経細胞は、140億です。

大脳に関して、私たちは一生の内に10億しか使っていません。今まで「脳みそから生まれた」とか言われている昔の有名人を探っていくと、1番使った方で、20億一寸と言われています。

残りは、いざ何かあった時のためにあるのです。
交通事故に遭って脳の一部が死んでしまうとかね、そのような時のためにあります。

量的に考えると「小脳1000億」というのは凄いですよね。
大脳でも140億あって、10億しか使わない。一生の間に1割も使わないのですからね。

大脳よりも小脳の方が、はるかに多い理由がどこかにあるはずですね。

小脳は、「技の記憶の場所」と言われています。
ピアノとか、そろばん、裁縫、水泳など。

すぐには身につかないですね。やはり「石の上にも3年」。


あと、最近分かってきたのは、筆跡です。
事件が起こると、警察の科学捜査研究所・・ああいう所で筆跡をチェックしています。

筆跡というものは小脳が記憶したものなので、早々変えられないのだそうです。
だから、指紋に匹敵する『癖』なのです。

今、世の中で、いろいろな殺人事件が起きています。

大脳と密接な関係があります。

目の前に何か困ったこと、切羽詰ったことが起きますと、
大脳は小脳に「今までにそんな例があるのかな?」と問い合わせをします。

例がないと、戸惑ってしまいます。
私たちも戸惑うことがありますよね。あれは『元』がないからなのです。
元がないから、どうしたら良いのか分からないのです。

そこに良い情報が入っていると、大脳の前頭葉(命令を出す場所)から運動神経に「こうしろよ」と命令が出ます。悪い情報が入っていると・・・以前、P・G・Kというお話をしたと思いますが・・・

P・・・パソコン G・・・ゲーム K・・・携帯

あそこで どっぷり浸かってしまっているお子さんたちの脳は、どんどん衰えてしまっているので、殺人ゲームなどがあると、それが跳ね返ってきます。

「殺してもいいんだな。」

そんなふうに殺人が平気で起きてしまう。

いつだったか、長崎の方で、小学生が両親を殺してしまいました。
その時に、全国でアンケートをとりました。その中の1つに「人は死ぬとどうなるのか?」という質問がありました。小学生で「生き返る」と答えたお子さんが6割いました。
ゲームはリセットできます。
人間もリセットできると思ってしまっているのです。

怖いですね。

小脳に良い情報を入れておくということは どれ程大事なことなのか・・・ということです。

 


次回は、2009年12月のデンタルサークル『脳の秘めたる底力』でお話していただきました医学博士の佐藤芳伸さんご自身が体験された『記憶』のお話です。

脳の秘めたる底力・最終回/記憶『繰り返すこと・褒めること』