脳の秘めたる底力5/知能と子育て

d5.JPG今回は、知能のお話です。

昔から環境によって左右されるといわれています。

昔は『IQ』、今は『偏差値』と呼ばれていますが、今は偏差値教育などと言われているので、できるだけ使わないようにしています。

Kさん・・・この方は3歳の頃・・・
ちょうど可愛い盛りで、チョコチョコ両親の手を離して走り回る。そんな時に交通事故に遭ってしまいました。この子と私が出会ったのは、このが子6歳の時。女の子でした。久里浜にその専門機関があるのですが、その専門の方が関わっていました。

専門の方なので「何かものすごいことをやるのかな?」と思っていました。
そしたら、なんと・・・やることは、その子の名前を呼んでいるだけなんです。

 

毎日、決まった時刻に、その子の名前を呼ぶ。
それだけです。



この子は、お父さん・お母さん、あるいは周りの家族から1番声をかけれていたのは
名前だろうな・・・ということでした。

やはり、何かつながるものがないといけないんですね。
ゼロからでは何も生まれないんです。



この子は、他の同年齢の方々と、最終的には5年ほど遅れました。
5年ほど遅れて大学へ行き、大学院へ・・・。
今、研究機関で働いています。

私が出会った時 6歳で、次に出会った時には12歳でした。
「あの子、生きているかなぁ。」と思ったものでした。
ご両親が人工維持装置を外してしまえば、死を迎える子でした。
ご両親が「外してください。もうけっこうです。」と言わなかったこと。そして、施設でもちゃんとみていったこと。こちらの施設はキリスト関係の施設だったんですね。
12歳の時には、歩いていました。
「植物状態」から「動物状態」に戻っていました。ただし・・・・知能は測定不能でした。

五感の内、どこの部分が育っていたのかというと、耳の系統でした。

毎日 話しかけれていましたから。



耳の系統の神経は、ものすごく発達していたということです。ですから、その後の記憶力は他の方々よりも遥かに高いということです。私たちは五体満足ですから、1番働くのは目の系統です。ところが、オギャーと生まれた時に、1番働いている五感は、耳と皮膚なんですね。視力は0.05あるかないかで、お母さんの顔はボヤーとしてはいます。お母さんの顔をジーと見ますね。見えていないのにジーと見ます。これは、実は耳と皮膚でお母さんを感じ取っているのです。すごいですよね!
視力がだんだん出るにしたがって、耳は使わなくなります。記憶力もそれに比例して、だんだん下がっていきます。

ここにも子育ての大きなヒントがあるということです。

わが子をダッコして、絵本の読み聞かせをするというのは、素晴らしいことなんです。



私たちがそういう読み聞かせの場面に立ち会うと、後ろ斜めの方向から見ます。前に鏡を置きます。
お子さんをダッコして、絵本をお母さんが持って読んであげるというときに、私たちは、お母さんとお子さんの目が一直線になっているかどうか確認しているんです。


これが1番(声・記憶の)入りが良い状態です。



お母さんは耳のすぐ後ろでしゃべっていますから入りが良い訳です。

 

次回は、『なんでも3年かかる』というお話です。

脳の秘めたる底力6/知能と『3年』