私の話を少しします。
ある年の12月、クリスマス会があり、その時に出かけ交通事故に遭いました。先輩にレコードを借りて歩いていました。その時に、高校生がオートバイの免許を取るために路上で練習をしていました。そのオートバイが私に右の方からぶつかってきました。
ですから・・・・右半身打撲。
それが、当時の診断でした。
ところが、私は跳ね飛ばされているんです。ブロック塀に左をぶつけている。
ここが何の場所かというと、「記憶の場所」なのです。
昔、よく 「タクシーに乗る時には何処に乗ったら良いでしょう?」という話がありました。
運転手さんの真後ろが1番安全な場所です。
しかし、1人で乗る時は、そこまで奥に座りますか?というと、大体 運転手さんの斜め後ろですよね。後ろのドアを開けてもらって、すぐの所に座りますよね。
この場所は、危険です。事故に遭った時に、やられてしまいます。
今は、交通事故に遭うと、必ず脳の写真を撮るのでいいのですが、昔はしませんでした。
結局、内出血というものには気付きませんでした。
内出血したその場所が圧迫されていって、だんだんだんだん 昔の記憶が薄れていきました。
霧がかかるような感じです。
それが、だんだん酷くなっていって、おかしいということで専門の方に相談しました。
湯河原で、この内出血を取っていただきました。
その後、看護婦さんが1年分の新聞や週刊誌を持ってきて、情報を入れてくれました。
同室の他の5人は羨ましく思っていたようでした。
食事もいいし、若い女の子も付いて、1日中 ああだこうだ教えてくれるのですから。(笑)
その時に得た情報は抜けないのです。
しかし、会社に戻ってからです。
プライベートなことは教えてもらっていませんから、色々なことで困ってきました。
当時、私が勤めている会社では、ちょうど新製品の開発が事業化されていた時でした。
サンプルが送られてこないと、アチコチから苦情が届きました。
記録に残っていることは対処できたのですが、電話約束の方は一切分からないのです。
ですから、もう一度、聞き直しました。
私にとって1番大事なものが抜けてしまったのです。
事業化した時の生産技術というものです。それは記録に残っていないのです。
ですから、ある程度のところは始末をつけて、結局、辞めることになりました。
代償機能のお話です。
私が内出血を受けてしまい、そこが圧迫されていって、だんだん昔の記憶が薄れていきます。
そして、内出血を取りました。
すると、内出血で圧迫されていた元の場所が働くのです。内出血で圧迫されていた時は「そこの場所が記憶する」というのは難しいので、脳の他の部分が肩代わりしていきます。
他が記憶していくのです。
ところが、内出血を取って元に戻してしまいましたから、その肩代わりしていたところの記憶が、今度、そっくり抜けてしまうのです。それを脳のお医者さんは1年と診ていたのですが、実際には、ずっと私も調べていく中で2年半ほど、そっくり抜けているのが分かりました。事故の翌月から記憶を失っていました。
そこまで分かりました。
ですから、代償機能というのは、とても大事なものですよね。
人間には、それだけの物凄い力を持っているということです。
これを子どもたちへ取り入れました。
何をしたのかというと・・・・特別なことではありません。
- シャツを着ることを正しく教える。
- 鉛筆を持つことを正しく教える。
- お箸を持つことを正しく教える。
「できたら3年かけて教えてください。」と言っています。
そうやって育ったお子さんたちは、記憶力が抜群なのです。
3年過ぎたところから小脳の記憶が始まります。
最初は3年ですが(ヒトによって違いますが)2年11ヵ月・2年9ヶ月・・・・と、だんだん短くなっていって、最後には、こうやって(私も)お話しています。
これが、先ほどお話した合唱団の指揮者であるワタナベ先生の脳なのです。
これを、今、試しています。
「1年後か2年後か分からないけど聞くからね~。覚えてね~。」とやっていくのです。
そして色々な方がいろいろな勝手なことを話していきます。
私たちは話したことをテープに録音しておきます。肝心の私たちは「第4記憶」と呼ばれる小脳の記憶がほとんどできませんので。(笑)
・・・それで、日付だけ言うのです。
「11月7日、誰と会ったかな?」「どんな話をしたかな?」「そこにいた人たちは、どんな服を着ていたかな?」・・・・・・・・みんな、答えられるのです。
まさに、『小脳の記憶』。『丸ごと記憶』です。
ですから、健康なお子さんですと、こういう脳の記憶ができますと、受験戦争は気楽でしょう。
私たちの脳というのは、本当に、底なしに近いくらい、凄い力を持っています。
これだけは忘れないでもらいたいのです。
今まで、色々なことが言われていますが、そんな常識など全部捨ててください。
とにかく、素晴らしい力を持っています。
可能性はどれくらいなのか、まだ、脳の研究がもっともっと進んでも分からないのでは?というくらい凄いです。
そこで底力を引き出すためには、取り組む際に繰り返すことが大事です。
脳は元々、繰り返すことがとても好きなのです。
次は褒めてください。
褒めると、脳の中の『やる気ホルモン』がどんどん出ていきます。
だから、自分で自分を褒めるということは良いことですね。体の中の働きが違います。
日本人はマイナス思考が多いといわれますが、プラス思考に色々なことを考えて、
他人が褒めてくれなかったら、自分自身で褒めてあげればいい。
「よく頑張ったな!」 って。
年のせいにしてはいけませんよ!
= 完 =