参考資料: 『抗がん剤治療を受ける患者さんの口腔ケア』
監修:静岡県立がんセンター より
放射線治療というと、その副作用が心配されます。
特に、お口の周りの細胞は 放射線の影響を受けやすいタイプの細胞なので ガン細胞も死んでしまいますが、 同時に お口の中の正常な細胞も ダメージを受け、高い確立で お口に副作用が出てしまいます。
その副作用を完全に防ぐことはできませんが、 患者さまと、ご病気の主治医の先生と、歯科医が協力して 軽くしたり予防できることはあります。
お口の中に起きる副作用は、下記のようなものがありますが、 放射線の量や患者さまの体質など 個人差によって 起こり方は様々です。
- 口内炎
- 口や歯肉が痛む 虫歯が急激に増える
- 舌がヒリヒリ痛む
- 口の周りの皮膚がむけて痛む
- 口がこわばって開けにくくなる
- 粘膜が感染を起こす
- 粘膜の表面がはがれる・腫れる
- 顎の骨の一部がとけてしまう
- 口の中が乾燥する(飲み込むのが辛くなる)
- 味覚が変わったり、感じなくなったりする
口内炎は、放射線治療 開始から5~7日で現れ、治療を続ける1ヶ月間 様々な症状が続きます。 非常に痛みを感じ、食べること・飲み込むこと・会話をすることが難しくなってしまいます。
その他にも、傷口から ばい菌が体内に入り込みやすくなってしまうという心配があります。 又、唾液を出す細胞が 放射線によってダメージを受けてしまうと 唾液が出にくくなって、それに伴って お口の中が乾いたり、ネバネバしたり、 喉が渇いたりすることがあります。
これ等の症状は少しずつ改善されていきますが 残念なことに、放射線治療が終わった後でも 数年間 続くことがあります。