がん治療が始まってからの歯科治療について

がん治療が始まってから歯科医院を受診する場合は、がん治療の主治医に相談しましょう。

がん治療によっては、歯科治療を延期した方が良い場合もあります。がん治療の経過を書いた紹介状を書いてもらい、かかりつけの歯科医院で受診すると良いでしょう。

又、一度、放射線が当たった部分の顎の骨は、非常に感染を起こしやすい状態にあります。

抜歯が原因で、骨に感染が起こることもあり、基本的に抜歯はできません。できるだけ抜歯をしないような処置を続けていきます。

 

乳がん・肺がんなどで、骨に転移した場合は、骨転移を抑えるビスフォスフォネート剤の注射が行われるようになってきました。この治療では100人に1人くらいの割合で、顎の骨に感染を起こすことが分かってきました。原因はまだ分かっていませんが、抜歯が骨の感染を最も引き起こしやすいと言われています。この治療を受けている患者さまで、顎に持続する鈍い痛みが出たり、歯茎から膿が出て、お口の中が苦く感じたりする場合は、早めに、がん治療の担当医や看護師、薬剤師、歯科医に相談してください。

 

国立がんセンター がん対策情報センター
『がんと療養203 がん治療と口内炎 ~口内炎や口のトラブルの対処の仕方~』 より