参考資料: 『抗がん剤治療を受ける患者さんの口腔ケア』
監修:静岡県立がんセンター より
放射線治療・抗がん剤治療を受けるようになったら、毎日 ご自身のお口の中のチェックをしましょう。早い時期に、お口の中の変化(痛みや、いつもと変わった症状)や異常に気付くことができると、症状が酷くならないうちに治療もできますし、痛みも和らげることができます。
チェックすることは こんなこと。
(無理はしないで、出来る範囲にしましょうね。)
- 詰め物が取れていないか?
- 歯の尖った部分がないか?それが頬に当たっていないか?
- 歯と歯茎の境目・歯と歯の間の歯茎が腫れていないか?
- 舌の脇の粘膜に赤みがあったり、傷があったりしないか?
- 頬の粘膜に、赤み・腫れ・ピリピリした感じはないか?
- 唇の粘膜に赤み・腫れはないか?
- 喉の奥に赤み・痛みはないか?
- 唾液を飲み込んだ時、痛くないか?
これ等のこと以外にも 何かいつもと違うことを お感じになったら、できるだけ早めにご来院ください。
※ ソフトタイプの『#025S』をおすすめします。
ご自宅では、毎食後と就寝前は、軟らかめ(ソフトタイプ)のハブラシで、歯・歯茎・舌を磨いてください。痛みがある場合は、ぬるま湯で より軟らかいハブラシで磨いて下さい。
アルコールの入っているものですと粘膜への刺激が強いので、アルコールが入っていないものを選んで、ご購入ください。
口内炎がない場合は、刺激の少ないフッ化物の入ったハミガキをご使用下さい。
ひどい口内炎があって粘膜にしみる場合には、ハミガキは使用せず、水だけで歯磨きをしても良いでしょう。その際には、うがいだけは続けましょう。
※生理食塩水(水1ℓ+食塩9g)のご使用をおすすめします。
デンタルフロスや歯間ブラシは、歯科医や歯科衛生士から正しい使い方を指導してもらってからお使いください。
歯茎からの出血や痛みがある場合には、その部分は避け、部分歯磨き用ブラシで磨くと良いでしょう。
入れ歯は よく合っていないと、お口の粘膜を傷つけてしまいます。歯科医に入れ歯のチェックをしてもらいましょう。入れ歯専用のブラシや洗浄剤を使用し、清潔にしておきましょう。
※ 放射線の影響により、唾液を出す組織が害を受けると 唾液が出にくくなり、お口が渇いてしまいます。場合によっては、その症状が長く続くことがあります。そのような時には、保湿剤や唾液を出すお薬もありますので主治医の先生や歯科医に相談してみましょう。
歯科医に、歯の表面に フッ化物を塗ってもらったり、フッ化物入りの洗口剤の使い方を指導してもらい、虫歯予防にも努めましょう。