『Dental Tribune』The World’s Dental Newspaper に掲載されました!

 

当院院長:川口和子の対談が『Dental Tribune』The World's Dental Newspaperに掲載されました!

こちらのサイトは、その名のとおり、世界の医学・医療情報が沢山掲載されています。どうぞお読みになって下さい。

 

以下は、掲載された対談です。

 

“医療に人柄は大切”―次世代歯科医師へのメッセージ より

http://www.dental-tribune.com/articles/content/scope/news/region/japan/id/10713

医療に人柄は大切として,よりよい歯科診療を目指し,自己研さんに励む。その姿には人への愛情とともにプロフェッショナルとしての厳しさが感じられた。家庭と仕事を両立している川口氏に,次世代の歯科医師へのアドバイスと臨床医としての信条を聞いた。

 

――数多くの学会や講演会へ積極的にご出席なさっていますが,どのようなポイントに注目して聴講していますか。

歯科医療が急速に進歩し,特にインプラントに関しては,材質や性状・形態に対する評価がめまぐるしく変化しているように感じます。メーカーと研究者の間で評価に乖離(かいり)があると,何が真実なのか分からないときがあります。さらに,マスコミの偏った報道が一般生活者の不安を煽ることもあり,私たち臨床家は,正しいものが何かを常に見極める能力を身に付けなければ,臨床に従事してはいけないという気持ちと,焦りもあります。

講演を聴講するとき,私は演者の医療に対する姿勢や人柄がどうしても気になり,記憶に残るようです。ときには,講義内容よりも演者の印象のほうが,私の人生に大きく影響するほど強く残ることもあります。

進歩した豊富な医療機器は素晴らしい効果を上げます。ですが,「医療は人」という言葉は今も私の胸中に厳然と存在しています。「学び」も「師」も世界中に出掛けると得られる時代ですから,貪欲に,素敵なチャンスに出会える場にできるだけ身を置くようにします。すると,自然とよい方々と巡り会えます。

 

――医療への姿勢とは,患者の健康維持に参画する際の心構えということでしょうか。

その通りだと思います。たとえば,インプラントを埋入するとき,その部位には術者の気持ちも埋め込まれるような気がします。かつて,ご住職様が「お経がはっきりと聞こえますように」とおっしゃって歯並びを治療されたことがありました。今でも,「歯が無事でお経が人々の心に優しく届いていますように」と,よく思い出します。
「このインプラントを埋入したらローンが支払える」というような気持ちでは決してインプラント埋入に臨みたくはないですし,「この方がよりよい人生を送れますように」と,念じ願いながら治療しています。医療本来の持つ高い次元を忘れないでいたいです。

 

――今後の歯科界に対して,若い先生方から将来の不安を聞きますが。

世界的な不況に加えて,東日本大震災,さらには,ニューヨークの巨大ハリケーンの被害と相次ぐ非常事態が起きています。世界各地で戦争や暴動が起こり,さらなる企業経営の悪化と失業者の増加で大変な時代を迎えることになるかもしれません。

これからの時代を担う若い先生方の希望が溢れるように,私たちは何ができるかを考えないといけません。これから10年先は,今のアメリカ歯科界が参考になりましょう。かつて,アメリカでは大学の歯科講座を減らして歯科医師数を減らした結果,現在では歯科医師不足に陥りました。海外の学会に行くと「米国に来てくれる歯科医はいないか」と真剣に頼まれます。

現在の不況は,歯科界だけではありませんが,歯科医の約90%は開業医ですから,歯科医師過剰の構造不況とあいまって,不安になることは無理もないですね。ですが,このような時代こそ,知識の吸収と自己研さんを積み上げる時期と受け止め,明るい明日に向けた準備を怠らないようにお願いしたいです。

“お金は天下の回り物“とはよく言ったものだと思うのですが,どこかでお金が止まってしまわないように,個人が欲張らず,日本中が,そして世界中が潤える世の中になるといいですね。

 

――信頼される歯科医師を目指すためのステップアップ法は。

とにかく勉強すること。知識の吸収に貪欲になることが大事ですね。私は今でも多くの講演会を聴講しています。「何だ,また来ているのか」とよく言われます。「知らないから来たのよ。」と返答したら,「いつまで勉強しているのだ。早く教える方にまわりなさい」(笑)。

臨床家としてステップアップするためには,「大学に籍を置くこと」「良い研修施設に巡り会うこと」「良い友を持つこと」「良いスタディグループに所属すること」―などが挙げられます(表)。私が所属するスタディグループのISO は,「共に成長しよう」といった共通した意識で,結束も強く魅力的です。海外研修が多く,高額な費用がかかりますが,同じ歯科医師なのに「自分とどこが違うのか」がわかります。スキルアップのためには自己投資が必要です。

 

――膨大な情報が氾濫していますが,このなかで的確な情報を見分けるコツは。

インターネットの普及で,本当に必要かつ的確な情報の仕分けは至難の技ですね。常日頃から,世界情勢,経済情勢,国内外の確かなニュースに気を配って歯科界を見るようにしています。そして優れたブレインに巡り会うといいですね。情報がおかしなときには,勘が働きますので,大きく道を外すことはないでしょう。ある日,素晴らしい人に出会ったときに,チャンスをつかめる自分になっていたいですね。でも,欲張りすぎは判断を狂わしますね。

 

――努力すれば,目標とする環境に身を置くことができるということですね。

そう思います。日々,自分の考え方を変化させて成長するためには,人に好かれる人間になりたいですね。そして,人を愛せる人間ですね。さらには,何事も明るくポジティブに考えることができればいいなと思います。運,不運はあります。その場合にも受け入れて対処していけば,「あの不幸は,この幸いのためにあった」と思えるようになるのではないでしょうか。むしろ,順調な人生を歩んでいる人のほうが怖いですね。人の気持ちを理解できず,根拠なく自己を過信しないように気をつけなければ・・・。

 

――家庭と仕事の両立は,難しいことだと思います。主婦の立場から,男性の歯科医師にひと言を。

大切なことは「家庭を育てられる人」,かもしれません。患者さんの気持ちを理解できるには,まず妻の気持ちを理解できるようになれば簡単ではないでしょうか。男性は奥さんを上手に育ててください。一方で,女性は夫を「はだかの王様」にしてはいけませんね。私は結婚後歯科大学に行かせていただきました。夫は大物です。私も最大限,嫁,主婦,母を努力しました。妻としてどうだったか,夫の採点が怖いですね。 

 

――最後に,先生のこれからの目標は。

勉強は大好きですが,子どもが独り立ちするまでは,落ちぶれたくないですね(笑)
そして,主人孝行がしたいですね。温泉めぐりなどをしたり,ゆったり心を安めお互いをいたわり合いたいです。

 

 

良い臨床家を目指す7つの提案

①公認の歯科学会に所属
何かを知っているか,生涯知らないかでその人の人生は違う。学会に入る価値はそこにある。

②学会員資格の取得
公認の指導医資格取得までの目標を持ち,自己研さんし,安全な医療人になり,患者から信頼を得る。

③教育機関,研修施設で技術習得
エビデンスに基づく診療を学ぶ。

④良きスタディグループに所属
本音を語れる友,目標を共有できる友を持つ。

⑤家庭を大切にする
歯科医療の基盤は家庭である。夫婦が協力してお互いが成長し努力する。

⑥尊敬できる人と良き友を見つける
目標となる人を見つけましょう。

⑦生業のための投資を惜しまない
好奇心と向上心を持って勉強を継続しましょう。

 

 

タバコをやめれば笑顔が戻る!日本学術会議がやってくる!!

『タバコをやめれば笑顔が戻る』

タバコをやめよう!という動きが日本でも盛んになり、病院でも治療ができるなどの時代になりました。
しかし、まだまだ日本では路上で喫煙する姿も見かけます。
路上喫煙により、煙草を吸いたくないと思っている方々や、未来を背負う子どもたち、
病気をお持ちの方々、せっかく禁煙した方々までが受動喫煙させられているという現実があります。

今月11月24日、京都府京都市左京区宝ヶ池 国立京都国際会館メインホールRoom-Aにて、
市民公開シンポジウムが開催されます。
こちらは入場無料となっております。

煙草について、今一度、ご一緒に考えてみませんか?

 

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