口腔癌について

先日、マスコミで口腔癌について話題になりましたので、改めてお知らせしておこうと思います。

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一般的な病気に比べて、発見が遅れやすい癌。
なぜ、発見が遅れるのでしょうか。

例えば 指を切ってしまった時。 普段であれば、存在を意識せずに生活していますが、 痛みを感じると、その指に大きな存在感を感じたり、有りがた味を感じたりしますね。 内臓に関しても同じでしょう。
普段であれば、食事をした際に 食べ物がどこを通過したとか 胃や腸がどこにあるとか、考えたり 存在を感じないと思います。 しかし、胃潰瘍などの病気になると、どこに胃があるのかハッキリとした存在を感じることと思います。

しかしながら、癌が体のどこかにできた時は必ずしもそうではなく、 それほどの痛みもないことが少なくないので、毎日の歯みがきなどで自分の目で確認できるはずの 口の中の癌でさえも自覚や発見が遅くなってしまうこともあります。 舌半分ぐらいの切除で済む手術であれば、 腕の皮膚などを移植して見た目も機能もほとんど手術前と同じくらいの状態までに回復させることができます。
しかし、舌の外から見える部分ほとんどを切除しなくてはならないような手術になってしまうと、例え皮膚などを移植して再建したとしても 嚥下や発音の障害が残ってしまうので、本人に告知してからの手術ということに なってしまうのです。

そのようなことにならないためにも、やはり早期発見が大事になってきます。
口腔癌の早期発見のためにも、いつも申し上げていますように、まず歯科医院での定期健診が大切です。
口腔癌は、患者様に口を開けてもらえば、すぐに直視できる口の中の粘膜に発生するため、他の癌に比べて容易に発見できるのです。

もし、入れ歯など口内炎の原因となっているだろうと思われる刺激を除去しても 舌や歯肉などの潰瘍(口内炎)が1~2週間経っても直らなかったら・・・・ もし、口内炎の周囲が硬くなっていたら・・・
できるだけ早く歯科医院へ行き、高度医療機関を紹介してもらってください。

初期の癌
手術は、局所麻酔で30分ほどで終了。 この段階であれば、転移の可能性もなく、機能障害も ほとんどありません。

中期~の癌 
切除部分は、癌病巣の周囲2cmを含めて切除することになるので もし直径4cmほどの癌病巣であっても、 野球ボールと同じぐらいの組織が失われることになります。 首のリンパ節への転移の可能性も多く、 首の皮膚を開いてリンパ節の切除も必要になってきます。 悪性腫瘍を取り除くと同時に、失われた舌や顎を補うため、 腕の皮膚や筋肉、腰の骨などを血管につけて移植する再建手術をするため 非常に繊細で10時間以上の大手術になります。

インプラント寿命についてのお話

沼津KLT川口メモリアル歯科インプラント症例24年後

インプラント寿命について、埋入手術を受けられる方は
皆さま、ご心配されているかと思います。

その後のご自身の意識やケアで変わってくるというお話を
お聞きになったことがあるかと思います。

当院の患者さまの許可を戴きまして、
症例を掲載させていただきました。

インプラント寿命の症例/インプラント埋入から24年後

お口の渇きの対処方法

前回の続きです。
少し間が空いてしまいましたが、お話したいと思います。

どのようにしたら、お口の渇きが改善されていくでしょうか。

まず1つめに、食事の際には、よく噛むことです。よく噛むことで、唾液腺が刺激されます。
唾液腺が刺激され、唾液が増えれば、咀嚼力を向上・回復させることにつながります。
それによって、誤嚥の危険性も下がり、虫歯になる可能性も低くなります。

丸飲みや早食いは、偏った食事となり、栄養不足を招きます。
すると、疲労回復の遅れや、食欲不振、関節の痛み、集中力の低下、筋肉の痙攣につながっていきます。

よく噛むためには、やはり『しっかり噛むことができる歯』が必要です。
(臼歯を失うと、顎が奥に入り込み、首が前傾していきます。
すると、舌が前に出るようになり、口腔内の乾燥につながってしまうことも分かっています。)

又、唾液腺のマッサージも効果的です。
耳たぶの下、顎先の下側の柔らかい部分、顎ラインの下の内側の柔らかい部分を
やさしく、指先で数回押します。

舌の体操もあります。
お口の周りや喉の筋肉を鍛えることも大切なので、体操は、それらを合せたものを
お勧めします。
「あーいーうーえーおー」と、大きな口を開けて、顔中の筋肉を動かし、最後に
「べーーー」と思い切り舌を出します。
疲れてきたところで、「い」と「う」と「べ」を、我慢して丁寧に行うことがコツのように思います。

 

それから、食品についてです。以前、少しお話をしました。

牛乳は唾液分泌促進の働きもある・・というお話です。
薬膳の世界では、昆布を常食とすると良いとも言われています。

ぜひ、お試しください。