『東日本大震災』のお話が終わって・・

先日、1月26日、当院にて医学博士の佐藤芳伸先生をお招きして

デンタルサークルを開催しました。

東日本大震災9ヶ月の現地支援活動を通して、

佐藤先生が見たこと・聞いたこと・感じたこと・体験したことをお聞きしました。

 

2011年3月11日、佐藤先生は、偶然にも当院があります静岡県にいらっしゃったそうです。
地震が起きた時には、ちょうど静岡市の海に面した場所にいて、3Mの津波が迫ってくるのをご自身の目で見たそうです。
本当は御身内のいらっしゃる宮城県へ支援活動に向かおうと思っていたそうですが、交通事情等、様々な出来事が重なり、岩手県大槌町へ向かわれたとのことでした。9ヶ月間の活動の中では、他にも、釜石市、山田町、南相馬市を訪れたそうです。

新聞社から提供していただいた写真等の資料も戴き、テレビでも幾度も観ていたはずの津波でしたが、佐藤先生より現地の方々の実際の当時の状況・生活・気持ち・言葉を聞いた後だったので、更に、言葉が詰まってしまいました。

又、私(ブログ管理人)の友人は避難時に津波で一緒にいた子どもを亡くしているので、その写真を目にした時には非常にショックで涙が出てきました。

命がけで沢山の人たちを安全な場所へ誘導して、津波にのまれてお亡くなりになった方・・・
最期まで避難の呼びかけをしていて、津波にのまれてお亡くなりになった方・・・
お年寄りを高台に避難させるため何往復もしていて津波にのまれてお亡くなりになった方・・・

 

日本にはこれまでも大きな地震・津波等の災害が起こり、非常に多くの方々が亡くなり、被災しました。

その時、その時の出来事を教訓として、又、反省をして、生かしていかなくてはいけない・・というお話も戴きました。
今回は、絆の強さもひしひしと感じましたが、「想定外」という言葉に逃げているズルさも悲しいほどに感じました。

・被災された方を傷つけない(写真を撮られることは非常に悲しいことである)
・被災された方に寄り添う
・自立に向けた物資の支援(個人・企業・農家に働きかけた)

これ等のことは、言うは簡単ですが、佐藤先生のお話から、現地に入らなければ「当たり前のこと」として理解できない情けなさも強く感じました。
今回被災した岩手県も、今、東海地震で危険だと騒がれているここ静岡県沼津市も、海があり山があり、『地産地消』ができる素晴らしい土地なのだというお話も戴きました。

母親の強さ、優しさもお話戴きました。
私の友人達もそうなのですが、小さなお子さん達を抱えて頑張っているお母さんたちは本当に大変だったそうです。今も・・だと思います。
又、ご主人やお子さんたちの洋服は比較的変わっていくのに、お母さんの服だけは何日何週間経っても変わらないということが非常に多かったそうです。それは、ご家族のことばかりを優先してしまい、自分のことは全て後回しにしてしまうから。そんなお母さんたちの強さと優しさを応援しつつ、ご自分も大切にしていただかないといけないと思いました。

他にも、医療設備や仮設住宅の環境、被災地から見た国の動きの悪さ(被災地を本当の意味で理解できなかった国の対応)のお話もお聞きしました。
その他にも、ここでは書ききれないくらい貴重なお話をして頂きました。

もうすぐ、あの日から1年経ちます。
しかし、まだまだ今でも「やること」はいくらでもあります。
1人1人が「自分ができること」を、表面だけの気持ちだけでなく、心から理解して、
続けてやっていこう・・・・・・強く強く思いました。

 

ブログ管理人

 

追伸:
今回、このお話を書かせて頂くに当たり、
私は多くの友人達が被災してしまったこともあり、個人的な思いが非常に強く、上手く書くことができませんでした。
言葉が足りなかったり、失礼な言葉も多数あったかもしれません。
もし、お気持ちを害させてしまうような言葉等がありましたら、大変申し訳ありませんでした。

 

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この度の東日本大地震により、多くの方々の尊い命が失われましたことに深く哀悼の意を表します。
又、被災された皆さまとそのご家族さまに対し、心よりお見舞い申し上げます。
被災地の1日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。
2011年4月から治療費としてお支払いいただいたインプラント1歯分につき¥3000ずつ3年間継続して、
災害義援金として寄付させていただいております。
その際に、皆さまよりお名前を頂戴し、皆さまのお名前を記帳して送りたいと考えております。
この義援金は、国際歯科インプラント学会日本支部、又は、日本口腔インプラント学会を通じて送り、
診療所を失った歯科医療関係者の皆さんにお役立ていただけたらと思います。 

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